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イタリア ボローニャ便り5便 セコンドピアット:魚料理
               カタラーナ風ロブスター

   

 大変号無沙汰してしまいました。

 毎年、日本の旧友2人がイタリア旅行に訪れます。
 まさにイタリア詣で、既に南イタリアを残して殆どを巡礼されています。
 最終地点がいつもミラノとなりますが、年度の終わりと再会を約束し、
 お馴染みの店で昼食をします。
 1年を経て、いつものように同じ店で食べる同じメニュー。
 根っからの食いしん坊を自称している私達ですが、最後はやはりこの店となります。
 この1年の総決算で、命の洗濯にイタリア旅行最後のアイロンがけ。
 日常のストレスを逸脱したこの非日常は、より会食の楽しみを増してくれます。
 やはりそれを助けてくれるのが料理の美味しさでしょうか。
 カタラーナ風ロブスターは、前菜と主菜を共に楽しませてくれます。
加納氏

 ▲カタラーナ風ロブスター、ハイ!これで4人分。5人で食べて十分です。

 トマトとイタリアンパセリ、そしてかかせないのがトロペア種のタマネギ
 (赤紫色でラグビーボール状の形)、そしてエクストラバージ・オリーブオイル。
 タマネギの甘さがトマトの味を引き立て、ロブスターの旨味を倍増してくれます。
 ロブスターは北米産と聞きました。
 イタリア最大の国際市場は、実はミラノにあります。
 トマトは、クォーレ・ディ・ブーエ(牛の心臓という意味)という品種です。
 完熟前で少し緑かかって歯応えがありますが、それでも十分にトマトの汁気と
 甘さのある野性味が味わえます。
 美味しい物を独り占めする楽しみに加え、貪食の大罪(*1)を分かち合う心理
 楽しみを与えてくれます。
   
 ▲シチリア産白ワイン、シャルドネイ(辛口)がお供に加われば、もちろんハイこの通り。

 この店の特徴は、やはりパンにあります。
 おいしい店の第一条件は、店の料理に合った美味しいパンです。
 少し太いバゲット風の形と焼き具合、セモリナ粉が効いたプーリア風の味は、
 なぜか洗練された都会を感じさせます。
 見えないものに対して期待させる演出です。
 第二条件は、ネクタイを締めている客がいないこと。理由はご想像ください。
 第三条件は、ウエーターが楽しそうに働いている店。
 
 ▲ハイ!友人のM嬢もこの通り。花も嵐も踏み越えて、一年間のお仕事のご褒美。

 楽しい雰囲気は、おいしい食事の第一条件でしょう。
 「笑いのない食事は食えない料理です。」筆者談。
 オマケであえて付け加えるなら、座っても聞かない限りメニューを持って来ない店。
 数少ない品数をウエイターの説明に任せてしまうのは、看板を背負っている者達への自信
 と信頼の現れかもしれません。
 店の雰囲気や、相手の構えから値踏み出来るか否かを見る経験と修行が必要です。
 気を付けていただきたいのは、ブランド志向に病んでいる人達で、それはそれは食後に
 すごい請求書が来るスリルを伴います。
 グルメガイドに出て来る店では、メニューを見てからにした方が無難です。
 その手の店はグルメガイドに出ること自体に、相当な利害関係を構築しているからです。
 やはり一番はその土地の人に聞くことです。
 また、ホテルやバール(コーヒーショップ) などで聞くのも一策かもしれません。
 知らない土地での意思疎通は厄介かもしれませんが、旅行の楽しさも潜んでいます。


 (*注1) キリスト教カトリック教会の唱える七つの大罪: 邪淫、貪食、貪欲、怠惰、
      憤怒、羨望、高慢。
  以上の大罪に心当たりのある皆さん、筆影山の景色と一緒に潮風を胸いっぱいに
 吸い込んでみて下さい。神は皆に寛大です。